行雲流水
いつのまにやら桜の花も散り
美しい葉桜に変わっている
立夏(りっか)に入り
風の香りや大気の流れが
初夏の趣を感じさせる
白雲が東から西へ 西から東へと
風のまにまに姿を変えてゆく
水は瀬となり淵(ふち)となり
大河となって流れてやまない
万象は変化し移ろいゆくが
大生命の営みは尽きることなく
永久(とわ)に続いていく
風韻誌12号(2005年5月発行)収録