三朝(みささ)にて



    深い余情を感じさせる かじか蛙の鳴き声 

    清流の瀬の音に 澄んだ美しい声が合和し

    温泉郷に調和の氣が 響き渡っている

    朝日に輝く渓流 冴えた色合いの山の木々

    霞が周囲を包み込み 山水画の世界が展開する

    色と音と光が渾然一体となって 交響曲を奏でる


     風韻誌13号(2005年7月発行)収録